Artist Interview:トータス松本×田島貴男
《ダイジェスト版》

トータス松本×田島貴男
取材・文:平山雄一
撮影:上山陽介

 今年の夏のトータスさんの予定は?

トータス松本(以下トータス):夏の終わりに毎年大阪で「ヤッサ」っていうイベントをやってるんですけど、今年は「バンザイ」が出てウルフルズの名前が全国区に広がってから20年が経った。大阪っていう僕らを生んだ街に感謝の意味をこめて「ヤッサ」を開催したいなと思っています。

田島貴男(以下田島):大阪の人は地元に戻って関西弁でそういうことができるからいいよね。

トータス:だけど、大阪生まれだと、2回勝負せなアカンかところもあるよ。いきなり「東京へ行こう!」っていうのではなくて、大阪で1回試して、「行けるかな!」と思って東京に行くからね、みんな。ある意味、その段差は必要やったと思うし、その間に大阪に支えてもらったところもある。今年の「ヤッサ」はその感謝だね。

 田島さんは秋から、“ひとりソウルショウ・ツアー”が始まりますね。

田島:「ひとりソウル」は毎年のライフワークみたいになってきて。最近やっと面白くなってきましたね。弾き語りと違って、一応「ひとりソウル」って銘打っているから、お客さんに踊ってもらうために2時間全部1人でやらなきゃいけない、一切休めないステージでさ。毎年やっているから内容もちょっとずつ変えていかなきゃいけないし。もう大変! でも最近ね、面白くなってきて(笑)。

トータス:へぇー、すごいなあ。

田島:大変だと思う時期を乗り切って、「これはこれで、こういうことができるな」とかいろいろアイディアが出てくる。今はけっこう楽しいですね。

トータス松本×田島貴男  そして二人は、本門寺で対バンをやりますね。

トータス:会場の雰囲気ってどんな感じ?

田島:毎年めちゃくちゃ盛り上がるよ。屋台が出ていたりして、下町のお祭り感があるし、すごいアットホームで「東京にこういう温かさってあるんだ!」っていう感じ。

トータス:あ、そうなんや。それ、縁日みたいなところでやるっていうこと?

田島:そうそう、縁日感ある! 客席にはお子さんもいるし、地元に住んでいる人たちが毎年楽しみにそこに集まってきている感じ。お寺って町の人たちとの付き合いがいろいろあったりさ、そういう「庶民的」って言うのかな。

 プロレス界のレジェンド“力道山”のお墓もあります。

トータス:なるほどね。実は家の近所の神社で毎年10月に秋祭りやっているんだけどさ。1年間練習して「ここで発表します」みたいな。境内でおばあちゃんたち5人ぐらいが大正琴を弾いたあとで素人の舞いみたいなのがあったり、順番にやっていくわけ。それ見て「うわ、俺ここで歌いたいわ~!」って思ったの。すっごい和やかで。

(一同笑い)

田島:はいはい(笑)。本門寺は、遠からずですよ。

 ちなみに、二人は今回のライブで何か一緒にやろうっていう話にはなってるんですか?

トータス:もちろんもちろん。楽しみで。

田島:まだ具体的に煮詰めて話してないんですけど、一緒に何かやる曲をこれから打ち合わせします。

トータス松本×田島貴男  最後に、本門寺は“THE SOUL NIGHT” っていうイベントタイトルなので、まずトータスさんが思う田島さんの「ソウル」とは?

トータス:田島くんのソウルはもう、「制御不能」やね。だって50歳になってから、ますます声が出始めているって、これはすごいことですよ!

 じゃあ、トータスさんの「ソウル」とは?

田島:トータスのソウルは、「ガッツだぜ!!」だよね。

トータス:何がやねん(笑)。

田島:でも今日話して、改めてそう思った。「ガッツだぜ!!」と「バンザイ」の人だな、この人はって。しゃべりの口調も歌とつながっているし。

トータス:でもね、「ガッツだぜ!!」ってすごい作為的に作った曲で。一方の「バンザイ」はまったく作為的に作ってない曲なのよ。だから最近は、そのバランスが自分の面白さやなとは思う。

トータス松本×田島貴男 田島:あ、でもカレーはつながってない。カレーには別のトータスがいるよ。

トータス:なんでやねん!(笑)

 カレーのトータス???

田島:この前トータスにカレーの作り方を教わったんだけど、これがもう繊細で! スパイスの微妙な使い分けとか、細かい作業がすごくて。「何これ、どんな一面を隠し持っていたわけ?」って思ったもん。カレーと「ガッツだぜ!!」はつながってないんだよなあ。

(一同笑い)

トータス:俺ねえ、カレーを作るときぐらいの緻密さでレコーディングやっているんよ。

田島:うん、それはここ最近でわかった。「ガッツだぜ!!」も「バンザイ」も、トータスなりのいろんな試行錯誤があって行き着いた表現なんだなと。

トータス:俺は、田島くんってもっと緻密な頭脳派やと思っていたんだよね。でも実は、やりたいことをウワーッと本能のままにぶちまけてやっている人なんやってことがわかった。カレーを作っていても、俺は最後の盛り付けまで「うーん」って悩みながらやるけど、田島くんはできあがったら鍋のまま「はい!」って差し出すみたいな感じがある。だからやっぱり、制御不能だよね(笑)。

田島:それ、メチャ面白い。(笑)でもその通りだと思うね。

トータス松本
1966年兵庫県生まれ。
ウルフルズのヴォーカルとして1992年デビュー。
『ガッツだぜ!!』『バンザイ~好きでよかった~』『笑えれば』『ええねん』等、数々の名曲をリリース。
ソロとしても、オリジナルアルバム3枚・カバーアルバム2枚をリリース。
2009年8月ウルフルズの活動を休止したが、2014年2月より4年半ぶりに活動を再開。
今夏8/27(土)には、恒例の野外ワンマンライブ「ヤッサ!」の開催を予定している。
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田島貴男
1985年、田島貴男を中心に結成した前身バンドを改名し1987年よりORIGINAL LOVEとしての活動を開始。
1991年7月にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たす。同年11月発売の2ndシングル「月の裏で会いましょう」がフジテレビ系ドラマ「BANANACHIPS LOVE」の主題歌に採用され全国的に注目を集めた。
その後も「接吻 kiss」「朝日のあたる道」などのシングルでヒットを記録し、1994年6月発売の4thアルバム「風の歌を聴け」はオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。以降もコンスタントに作品を発表し、柔軟な音楽性を発揮している。
近年はバンドスタイルでのライブのみならず、田島貴男1人での「ひとりソウルツアー」や「弾き語りライブ」も恒例化している。2016年6月には、メジャーデビュー25周年記念シングル「ゴールデンタイム」をリリースした。毎年、当イベントにはアコースティックセットという特別編成で出演している。
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Slow LIVE'16 THE SOUL NIGHT
東京 池上本門寺・野外特設ステージ
2016年9月2日(金) 17:30開場 / 18:30開演
出演:ORIGINAL LOVE(アコースティックセット)/トータス松本/オープニングアクトあり
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